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ギャンブラーの破産問題:
賭け方で破産確率は変わる?

ルーレットの赤黒で、1万円を2万円にしたい。毎回少しずつ賭けるのと、一気に賭けるのでは、どちらが届きやすいか。答えは「少しずつ賭けるほど、ほぼ確実に0円になる」。定額・マーチンゲール法・ダランベール法・一発勝負の4つの賭け方で、1万人ずつ試します。

はじめの資金は1万円。赤に賭けて、当たる確率は37分の18(0が1つのルーレット)。目標に届くか、0円になるまで続けます。賭け金が残りより多くなったら、残り全部を賭けます。

■目標に届いた ■0円になった(1万人ずつ)

比べる4つの賭け方

定額:毎回同じ額を賭ける。

マーチンゲール法:負けたら倍。勝ったら基本の額に戻す。

ダランベール法:負けたら基本の額を1つ足す。勝ったら1つ減らす。

一発勝負:目標に届くのに必要な分だけ、まとめて賭ける(2倍が目標なら、1万円を1回で全部)。

ギャンブラーの破産問題とは

手持ちのお金で同じ賭けをくり返したとき、「目標の額に届く」か「0円になる(破産する)」か、それぞれの確率を考える問題です。0円になる確率を破産確率と呼びます。高校の確率でも出てくる問題です。

分かっていることは1つ。胴元が少しでも有利なゲームでは、少しずつ長く賭けるほど、破産確率は100%に近づきます。

例:ルーレットの赤黒で、1万円から2万円を目指して、毎回同じ額を賭けた場合
100円ずつ:届く確率 0.45%(破産確率 99.55%)
500円ずつ:届く確率 25.3%
1,000円ずつ:届く確率 36.8%

根拠:計算(ギャンブラーの破産問題の公式。届く確率=(1−rのi乗)÷(1−rのN乗)、r=19÷18、i=はじめの資金が賭け金の何回分か、N=目標が賭け金の何回分か)。「高校の確率でも出てくる」は二次(受験の月「【高校数学A】ギャンブラーの破産問題」)

破産確率の計算:100円ずつだと、なぜほぼ0円になる?

ルーレットの赤黒は、赤が出る確率が37分の18(約48.6%)です。0があるぶん、半分より少し低くなっています。そのため1回賭けるごとに、平均で賭けた額の約2.7%を失います。

1回の損は小さくても、回数を重ねると積み上がります。100円ずつで2万円を目指すと、終わるまでに平均3,667回。合計で約37万円を賭けることになり、その2.7%で約9,900円。1万円がほぼ消える計算です。

目標を1.5万円に下げても、100円ずつで届く確率は6.7%です。

根拠:計算(ギャンブラーの破産問題の公式)と、このページで実際に回した結果

賭け方別の破産確率(1万円から2万円・100円から)

定額:届く 0.45% 平均3,667回 1人平均の損 約9,900円

マーチンゲール法:届く 42.1% 平均158回 1人平均の損 約1,600円

ダランベール法:届く 35.1% 平均159回 1人平均の損 約3,000円

一発勝負:届く 48.6% 1回 1人平均の損 約270円

目標を1.5万円にすると、届く確率は定額6.7%、マーチンゲール法60.7%、ダランベール法54.7%、一発勝負64.8%です。

どの賭け方でも、1人あたりの平均はマイナスです。賭け方で変わるのは「届く人と0円になる人の割合」と「平均の損の大きさ」だけです。

根拠:計算(すべての場合を数え上げた確率)。上のシミュレーターの結果も、回すたびに少しずれますが、ほぼこの数字になります。

ダランベール法とは

負けたら次の賭け金を1単位増やし、勝ったら1単位減らす賭け方です。ピラミッド法とも呼ばれます。負けるたびに倍にするマーチンゲール法より、賭け金の増え方がゆるやかです。

ただ、届く確率が上がるわけではありません。このページの条件(1万円から2万円・100円から)では、届く確率はマーチンゲール法の42.1%より低い35.1%でした。1回ごとに約2.7%取られる仕組みは、賭け方を変えても同じです。

根拠:計算。「ピラミッド法」の呼び名は二次(ダランベール法を解説するカジノ情報サイトの見出し)

一発勝負が一番届きやすい理由

賭ける回数が一番少ないからです。1回ごとに約2.7%ずつ取られるので、回数が少ないほど取られる額も小さくなります。

胴元が有利なゲームでは、「目標に届くのに必要な額だけを賭ける(足りなければ全部)」やり方が、目標に届く確率を一番高くすることが数学で示されています(1965年、ドゥビンズとサベージ)。

ただし2万円が目標なら、半分以上の人(51.4%)が1回で1万円をなくします。賭け方は「どう負けるか」を変えるだけで、勝てるようにはなりません。

根拠:計算。数学の結果は二次(Dubins・Savage『How to Gamble If You Must』1965年を引く論文の要旨)

よくある疑問

ルーレットに必勝法はある?
ありません。赤黒のどこに、どんな順番で賭けても、1回ごとに平均で賭けた額の約2.7%を失います。賭け方を組み合わせても、マイナスを足し合わせるだけです。このページの4つの賭け方も、すべて平均はマイナスでした。

マーチンゲール法の破産確率は?
1万円・100円からなら、100・200・400・800・1,600・3,200円と6連敗した時点で6,300円負けています。7回目に必要な6,400円が残っていません。2万円を目指すと、42.1%の人が届き、57.9%の人が0円になります。何回目で終わるかはマーチンゲール法のシミュレーターで試せます。

ケリー基準だと、いくら賭ければいい?
ケリー基準は、勝てる見込みがあるゲームで「資金の何%を賭けるか」を決める式です。資金の割合=勝つ確率−負ける確率÷配当(もうけの倍率)。ルーレットの赤黒だと、37分の18−37分の19=マイナス37分の1。マイナスなので、賭ける額は0円になります。

FXの「バルサラの破産確率」とは違う?
バルサラの破産確率は、FXなどのトレードで、勝率と損益の比から出す数字として紹介されています。このページの破産確率は、ルーレットのように勝つ確率と配当が決まった賭けで、目標か0円まで続けたときの計算です。

根拠:計算。バルサラの破産確率は二次(「破産確率」で検索して上位に出るFX会社の解説記事の見出し)

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