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ギャンブル依存症かも?と思ったらチェック・治るのか・治療と相談先
ギャンブル依存症は「やめたいのに、やめられない」病気です。意志が弱いからではありません。治療には保険がききますし、家族だけでも相談できます。
結論:ひとりで止めようとしない
ギャンブル依存症は、国(厚生労働省)も「回復できる病気」と言っています。
ただ、根性ではまず止まりません。脳が「もっと」と求める状態になっているからです。
だから、病院・相談窓口・同じ悩みの仲間を使って止め続けるのが近道です。
根拠:一次(厚生労働省「依存症対策」「依存症についてもっと知りたい方へ」)
ギャンブル依存症チェック:こんなこと、ない?
ここ1年をふり返ってみてください。
- 使う額や行く回数が、前より増えている
- やめよう・減らそうとしたことがある
- 負けたら「取り返さなきゃ」と、また行く
- いくら使ったか、家族や周りにうそをついている
- ギャンブルのために借金したり、人にお金を頼んだりした
- イライラやつらい気分を、ギャンブルでまぎらわしている
少しでも当てはまって困っているなら、気軽に相談していいです。借金がなくても、止められないなら依存症のことはあります。
点数で見たいなら、国の調査と同じPGSI(9問)が東京都のサイトでできます。
根拠:一次(依存症対策全国センター「ギャンブル依存症の症状とサイン」を短く言い換え。「少しでもあてはまれば相談を」も同ページ。PGSIは東京都「とうきょう依存症ポータルサイト」)。このリストは診断テストではありません。診断は病院で
ギャンブル依存症の人、どれくらいいる?
国の調査では、ここ1年で依存が疑われる人は大人の1.7%。男性は2.8%、女性は0.5%でした。
その人たちが1年でやっていたギャンブルは、パチンコがいちばん多い結果です。
図依存が疑われる人が、この1年でやっていたギャンブル
パチンコ71%
パチスロ51%
宝くじ43%
競馬28%
競輪・競艇各14%
いくつもやっている人がいるので、足すと100%を超えます(140人)。
ギャンブルに使うお金は、1か月で真ん中の人が6万円でした。
根拠:一次(久里浜医療センター「ギャンブル障害およびギャンブル関連問題の実態調査」報告書(令和6年10月、令和5年度の厚生労働省の調査)表2-24・2-29・2-32。PGSIという質問票で8点以上の人)
なぜやめられない?:4つのワナ
「意志が弱いから」ではありません。ギャンブルには、やめにくくなる仕組みがそろっています。
1. 脳が「もっと」を求める
勝ったときの興奮で、脳のごほうびの回路が動きます。くり返すうちに同じ額では物足りなくなり、賭け金や回数が増えていきます。
2. 「あと少し」で燃える
スロットを使った実験では、「あと少しで当たり」の外れは、ふつうの外れより不快なのに、「もっとやりたい」気持ちは強くなりました。脳では、お金が当たったときと同じ部分が動いていました。
3. 「そろそろ当たる」と思ってしまう
外れが続いても、次に当たる確率は変わりません。それでも人は「そろそろ来る」と感じます(1万回投げて確かめる)。
4. 取り返そうとするほど減る
ギャンブルは、賭けたお金の一部を胴元が先に取る仕組みです。取り返そうと多く賭けるほど、平均で消える額も増えます。
図1万円賭けると、平均でいくら消える?
競馬(単勝)2,000円
パチンコ約2,070円
競艇約2,500円
toto5,000円
宝くじ約5,270円
1回ごとには勝つ人もいます。でも、賭けた合計が増えるほど、負けはこの割合に近づきます(控除率の一覧と1万人の試し)。
根拠:一次(厚生労働省「依存症についてもっと知りたい方へ」、依存症対策全国センター「ギャンブル依存症の症状とサイン」、Clark ほか 2009年 Neuron 61巻「Gambling near-misses enhance motivation to gamble and recruit win-related brain circuitry」)。消える額は控除率の一覧の数字(JRA・法律・toto・宝くじは一次、パチンコは大手1社の決算からの目安)
ギャンブル依存症は治る?:やめ続けることはできる
厚労省の説明では、一度できた脳のクセを前の状態に戻すのは難しい。でも、助けを借りてやめ続ければ、ふつうに暮らせる。糖尿病や高血圧みたいに、付き合っていく病気です。
途中でまたやってしまっても、そこからやめ直せばOKです。
根拠:一次(厚生労働省「依存症についてもっと知りたい方へ」)
治療と病院:集団療法は保険がきく
2020年4月から、ギャンブル依存症の集団療法に健康保険が使えます。届け出をした病院で、2週間に1回、3か月まで。つまり全6回です。
使うのは、国の研究班が作り、ランダム化比較試験で効果が確かめられたプログラム。ほかの患者さんと一緒に、こんな順で進めます。
図保険がきく集団療法、6回でやること
ギャンブル依存症を知る。続ける・やめるの損得を表にする(バランスシート)1回目
やりたくなる「引き金」を見つける給料日、ひま、イライラ、通り道の店など2回目
引き金への対処と、やりたい気持ちの波3回目
生活の立て直しと、ギャンブルの代わりにやること4回目
ギャンブルについての「考え方のくせ」「次は勝てる」「取り返せる」など5回目
まとめと復習6回目
費用は、集団療法そのものが1回300点。3割負担なら1回900円です(診察代などは別)。
何科?は精神科。依存症を診る病院は、依存症対策全国センターの「相談・治療ができる機関」の地図で探せます。
根拠:一次(医科診療報酬点数表 I006-2 依存症集団療法・通知、厚生労働科学研究「ギャンブル障害の標準的治療プログラム」研修の報告書(令和3年度、各回の題))。1回900円は計算。2回目・5回目の例とバランスシートの説明はサイトで補ったもの(推測)
今日からできること:止める仕組みを作る
1. 借りられなくする
日本貸金業協会などに本人が申し出ると、お金を借りにくくなります(貸付自粛制度)。
2. 入れなくする・買えなくする
競馬(JRA)などは、本人や家族が申し出ると競馬場への入場やネット投票を止められます。パチンコ店にも、使う額や入店を制限する申告の仕組みがあります。
3. 仲間に会う
GA(ギャンブラーズ・アノニマス)は、本人どうしの集まり。家族にはギャマノンがあります。
根拠:一次(JRA「競馬場・ウインズへの入場制限について(ご家族による申請)」、金融庁リーフレット、厚生労働省「依存症対策」)。パチンコ店の申告の仕組みは二次(報道)
家族は:叱るより、先に相談
責めても、約束させても、病気なので止まりません。厚労省も「叱責や処罰ではなく対処法を学びましょう」と言っています。
本人が「やめなきゃ」と思うまでには時間がかかります。まず家族だけで相談して、接し方を知るところから。借金の肩代わりは、しないほうがいいです(くわしく)。
根拠:一次(厚生労働省「依存症についてもっと知りたい方へ」、金融庁リーフレット)
相談窓口:家族だけでもいい
依存のこと:保健所、精神保健福祉センター(「こころの健康センター」とも)、依存症相談拠点。本人を連れていかなくても大丈夫です。
借金のこと:法テラス、消費生活センター(188)。ギャンブルの借金でも、自己破産で借金がなくなる人がほとんどです(くわしく)。
迷うのはふつうです。相談に来たギャンブルの人も、8割近くが「ためらった」と答えています。気づいてから相談に来るまでは平均2.9年でした。
根拠:一次(厚生労働省「依存症対策」の相談機関、久里浜医療センター報告書 第3章(相談機関を利用した人のアンケート、ギャンブル依存群))
借金があるなら、あと何年か見ておく
「このまま返すと何年、利息はいくら」が分かると、相談のときに話が早くなります。
借金返済シミュレーターで計算する →
根拠:計算(毎月同じ額を返し、新しく借りない場合)
よくある疑問
Qギャンブル依存症は治る?
A前と同じように「ほどほどに遊べる」状態に戻すのは難しいとされます。でも、やめ続けて、ふつうに暮らすことはできます。
Qギャンブル依存症が治る確率は?
A国の資料で「何%が治る」という数字は、このサイトでは見つけられませんでした。
Q借金なしでも依存症?
Aありえます。借金の有無ではなく、自分で止められないかどうかが目安です。
Q病院は何科?保険はきく?
A精神科です。依存症を診る病院を選ぶのがおすすめ。2020年4月から集団療法に保険がききます。
Qなぜギャンブルはやめられない?
A脳のごほうびの回路がエスカレートするからです。「あと少し」の外れや、負けを取り返したい気持ちも、次の1回を呼びます。
Q治療の費用はいくら?
A保険がきく集団療法は1回300点で、3割負担なら900円です。診察代などは別にかかります。
Q家族はどうすればいい?
A責めるより、まず家族だけで保健所などに相談を。借金の肩代わりはしないほうがいいと国も言っています(くわしく)。
Q依存症の人の借金はいくらくらい?
A相談に来た人では平均654万円、真ん中で400万円でした(くわしく)。
Qくわしく:調査の数字
A久里浜医療センター「ギャンブル障害およびギャンブル関連問題の実態調査」報告書(令和6年10月、令和5年度の厚生労働省の調査)。PGSI(0〜27点)で8点以上を「ギャンブル等依存が疑われる者」とし、年齢調整後で全体1.7%(95%信頼区間1.4〜1.9%)、男性2.8%、女性0.5%。前回の令和2年度調査(SOGSという別の質問票)では2.2%でした。
8点以上の140人がこの1年でやったギャンブルは、パチンコ70.7%、パチスロ51.4%、宝くじ42.9%、競馬27.9%、競輪・競艇各13.6%。1か月にギャンブルに使う額(勝った分は含めない)は中央値6万円、最頻値10万円、平均約23万円。
同じ報告書の第3章(依存の問題で相談機関を利用した人のアンケート)では、ギャンブル依存群で相談への抵抗感が「かなりあった」49.4%、「少しあった」28.7%。ギャンブルの問題を抱える人が、気づいてから初めて病院や相談機関を使うまでの期間は平均2.9年(最長25.2年)、「1年未満」が56.1%。初めてギャンブルをした年齢は平均20.2歳、月1回以上するようになったのは平均22.7歳でした。
集団療法の6回の題は、研修の報告書(厚生労働科学研究、令和3年度)にある「ギャンブル障害について説明とバランスシート作成」「ギャンブルの引き金の同定」「ギャンブルの引き金への対処とギャンブルの渇望」「生活の再建と代替行動」「ギャンブルに対する考え方のくせ」「まとめと復習」です。
根拠:一次(厚生労働省「依存症対策」「依存症についてもっと知りたい方へ」、医科診療報酬点数表 I006-2、JRA、金融庁リーフレット、久里浜医療センター「ギャンブル障害およびギャンブル関連問題の実態調査」報告書(令和6年10月、令和5年度の厚生労働省の調査))
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